看護職のお役にたてるコラムを掲載しています。
看護という仕事は、患者さんと関わることが大前提です。その患者さんとのコミュニケーションが難しいという看護師さんも少なくありません。今回は「患者さんとの付き合い方」についてリサーチしました。どういった看護師が患者さんにとって良い看護師なのか、患者さんとの距離感、乗り越えなければいけない患者さんの「死」についてなどを紹介します。
まずはポジティブな印象から紹介します。
・優しい
・いつも笑顔
・テキパキしている
・エネルギッシュ
次にネガティブなイメージを紹介します。
・いつも疲れている
・言葉遣いや患者の扱いが雑
・看護師同士で反目している
・怖い
人手不足や業務の多さから、理想の看護ができない事もあるかもしれません。
◇よい看護師の特質
1.人としての関わりができる
性格や雰囲気がよい
人としての顔を見せる
人としての患者・家族に関心を持つ
人としての患者・家族を大切にする
2.プロとしての関わりができる
専門職者としての能力
プロ意識
がん患者26名を対象にしたこの調査では、いつも明るく笑顔で患者や家族に寄り添うプロ意識の高いナースがよい看護師の要素だとされています。
コミュニケーションを続けていくうちに、この患者さんはこのくらいの距離感で、といったボーダーラインが見えてくるはずです。近すぎると「なれなれしい」と感じ、遠すぎると「よそよそしい」と感じてしまいます。
親しく接することは必要ですが、踏み込みすぎないように節度を守ることが大事です。
また、患者さんが心を開いてくれないからと言って、突き放してしまうのはNGです。
患者さんが求めていないのにアドバイスや意見をしたり、患者さんの話を否定したりすることはやめましょう。
コミュニケーションにおいて、声の大きさやトーンなどの話し方や、身振り手振りの態度や表情などの方が言葉そのものより重要なのです。
伝えたいこと話したい事は、話すときの表情やボディーランゲージに注意して話せば、より患者さんに伝わるということです。
たとえば認知症の患者さんに対しては、患者さんのペースを大事にする、プライドを傷つけない、孤独を感じさせないなどの配慮が必要です。
余命が短い、つまり死を近しく感じている患者さんは恐怖や不安・無力感といった感情を抱えています。そういった患者さんには、安心感や満足感を与えられるように、共感したり心に寄り添う言葉をかけたりすることが大事です。
精神的に不安定になっている患者さんには、まず安心してもらうことが大切です。患者さんの話に耳を傾け、つらい気持ちを理解しようと努めましょう。また、頑張れといった言葉や否定の言葉は言わず、静かに見守ってあげましょう。
看護師さん体験談
夜勤巡回しているときに、男性患者さんから悪質なセクハラまがいの事を頼まれました。拒絶すると暴言を吐き、私の事を罵りました。師長に報告したところ、できるだけ男性看護師が対応することになり、それ以上の被害はありませんでしたが、看護師(特に女性)が軽く見られたことが悔しいです。喪失の悲しみを「グリーフ」と言い、医療従事者に起こる悲しみは「プロフェッショナル・グリーフ」と呼ばれます。このプロフェッショナル・グリーフが積み重なると、体のだるさや不眠症、集中力の欠如や虚無感などの肉体的・精神的に様々な症状が現れます。
また、燃え尽き症候群につながってしまうこともあります。これを乗り越えるためには、信頼できる人に相談したり好きな事をする時間を作ってリラックスしたりといった精神的なケア。
そして、健康的で規則的な食事と充分な睡眠での休息、適度な運動をするなどの肉体的なケアを行いましょう。
患者さんの視点や立場に立った「看護」とは何か?を今一度確認し、良い関係を築けるように努力しましょう!
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