看護職のお役にたてるコラムを掲載しています。
看護のプロである看護師さんが、さらに知識や経験をアップするために取得する資格に「認定看護師」があります。その認定看護師よりもさらに取得難易度が高い「専門看護師」という資格があります。より専門性が高く、有資格者の数も少ない専門看護師の資格を取るにはどうすればいいか、資格取得で何が変わるのかといったことを詳しく紹介します。
「専門看護師制度」の目的は、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた専門看護師を社会に送り出すことにより、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上をはかることとされています。
その専門看護師が果たす役割は6つあります。1.個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する。(実践)
2.看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。(相談)
3.必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。(調整)
4.個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る。(倫理調整)
5.看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。(教育)
6.専門知識及び技術の向上並びに開発を図るために実践の場における研究活動を行う。(研究)
出典:日本看護協会・専門看護師(Certified Nurse Specialist)とは
同じように日本看護協会が認定する資格に「認定看護師」がありますが、役割や特定分野、資格取得に必要な経験・教育で若干の違いがあります。
認定看護師よりも専門看護師の方が、必要な教育の面でハードルが高いようです。専門看護師の登録者数は全国で2,279名。(2018年12月現在)認定看護師登録者数が19,835名なので、専門看護師はその約1/9ということになります。出典:日本看護協会:分野別都道府県別登録者数教育機関数(日本地図版)
看護師資格を取得
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看護師として通算5年以上の実務経験
そのうち3年以上は専門看護分野での経験が必要
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看護系大学院修士課程修了者で、日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得していること
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専門看護師認定審査に合格
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専門看護師認定証交付・登録
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5年ごとに更新(看護実践の実績、研修実績、研究業績等書類審査)
1.がん看護
2.精神看護
3.地域看護
4.老人看護
5.小児看護
6.母性看護
7.慢性疾患看護
8.急性・重症患者看護
9.感染症看護
10.家族支援
11.在宅看護
12.遺伝看護
13.災害看護
しかし、短大や専門学校卒で看護師資格を取得した場合、4年生看護大学に入学しなおしたり、編入したりが必要となります。その後に大学院に進む必要があるため、長い期間が必要です。
大学によってその費用は差がありますが、おおよそ200万円前後はかかると思われます。
受験の準備や大学院で学ぶ際にかかる費用、専門看護師資格認定審査や認定料なども必要なので、300万円ほどは見ておいたほうがよいでしょう。
そういった人のために、奨学金や補助金をサポートしてくれる制度などがあります。
・日本学生支援機構
・木村看護教育振興財団専門看護師奨学金助成
・看護師等修学資金貸与制度…各都道府県で実施(未実施の自治体もあり)
勤務する病院によっては、就学期間中のサポートを受けられることもあるので、勤務する病院に相談してみましょう。ただ、資格を取得しても手当がつかない病院や施設もあります。専門的な知識やスキル、指導的な業務のため夜勤や残業が少なくなるといった待遇面での優遇が受けられることもあります。
まだ歴史が浅く、その処遇は施設によってばらつきがありますが、看護師としてのスキルアップやキャリアアップには有利になると思われる専門看護師。あなたもチャレンジしてみませんか?
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