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コラム

看護職のお役にたてるコラムを掲載しています。


これで完璧!ストレスコーピングの看護過程の4つのポイント

大きなケガをしてベッドに寝たまま立ち上がることもできない…
入院が長期化してイライラする…
検査をしても不調の原因が分からず不安…

入院している、あるいは通院などで外来を訪れる患者さんの多くはストレスを感じています。そんな患者さんのストレスをうまくコントロールすることで、治療をスムーズに行えるようにするのも看護の一環です。今回は、患者さんのストレスへの対処法であるストレスコーピングの基本情報から、看護アセスメントへの応用などを紹介します。

コーピングって?

「コーピング」とは、対処するという意味の「cope」に由来する言葉で、ストレスコーピングとはストレスに上手に対処する方法や過程を指すメンタルヘルス用語です。ストレスコーピング論は、アメリカの心理学者リチャード・S・ラザルス(Richard S. Lazarus)が提唱したものです。簡単に言うと、ストレス因子(ストレッサー)を認知し、そのストレスにいろいろな方法で対処しストレスをなくしたり和らげたりする手法やそのプロセスの事です。ストレスコーピングには、その対処法やアプローチの仕方によってタイプがいくつかあります。

・問題焦点型…ストレス因子である事柄や人物に直接働きかけ問題解決を目指す

・情動焦点型…ストレッサーによって与えられた感情をコントロールすることで緩和を目指す

・ストレス解消型…気晴らしやリラクゼーションでストレスの発散を目指す

業務中どういったときにコーピングが必要になるの?

では、看護の現場ではどういった時にストレスコーピングが必要になるのかを具体的に紹介します。

大部屋に入院中の患者さん・問題焦点型コーピング

◇ストレッサー

隣のベッドの患者さんが詮索好きで、治療や経過についてアレコレ聞かれる

テレビの音や話し声が気になって眠れない


◇ストレス反応

睡眠不足

イライラ・血圧の上昇


◇看護ケア

ベッド位置を変える・病室を移す

病室内でのマナーの徹底を各患者に説明


◇ケア後の評価

ある程度プライバシーが守れる環境になったことで安心した様子

心理状態が安定することで血圧も低下した


手術予定の患者さん・情動焦点型コーピング

◇ストレッサー

手術の際や術後の痛みへの不安

術後の入院生活が長引くのかといった不安


◇ストレス反応

食欲減退

睡眠不足


◇看護ケア

手術に関する説明を行う(共感的態度で接する)

スタッフ間の情報交換を密にし、言動を統一する


◇ケア後の評価

手術に関する説明で痛みへの不安はやや解消し、食欲はおおむね回復

手術そのものや術後への漠然とした不安は継続中で、睡眠不足は変らず

リハビリで長期入院の患者さん・ストレス解消型コーピング

◇ストレッサー

長期の入院でストレスフル

リハビリが思うように進まず不安


◇ストレス反応

イライラ

治療に消極的


◇看護ケア

一時帰宅でリフレッシュしてもらう

リハビリの合間に軽いゲームなどでストレスを緩和


◇ケア後の評価

一時帰宅後はイライラもやや収まってリハビリに意欲

積極的にリハビリに取り組めるようになり大きく進展

ストレスコーピングをするために必要な情報はこれ!

ストレスコーピングを行うために、まず情報を収集しなければなりません。ストレスコーピングのアセスメント作成に必要な情報を紹介します。

ストレス反応

まずは、患者さんの様子からわかるストレス反応です。

ストレッサー

次に、そのストレス反応の原因となっているストレッサーを見極める必要があります。暑さ・寒さといった気候から、人間関係や治療の進捗に至るまで、あらゆる環境や外部刺激がストレスの原因となり得ます。

認知・評価

患者さんがストレッサーを認知し、それに対して発現したストレス反応を察知し、評価することでストレスコーピングが始まります。ストレスの原因となっている事象を特定することで、その後の看護計画・アセスメントが決まります。

看護計画の立案

最後に、ストレスコーピングの具体的なアセスメントを紹介します。

OP観察計画

術後の患者さんやリハビリを開始した患者さん、入院初日の患者さんや集中治療室から一般病棟へ移った患者さんなど、外部刺激が加わったり環境が変わったりした患者さんの様子を観察します。

ストレス反応の有無やその程度から、ストレス状態なのかどうかを判断するための観察が必要です。

TP実施計画

ストレス反応のある患者さんに対して、どういった看護を行うのかを計画・立案するのがTP実施計画です。反応が身体的なのか心理的なのか、もしくは行動的なのかに始まり、ストレッサーの特定と、アプローチの仕方や方法の具体策を決定します。

たとえば、病棟内の環境がストレス因子であれば、環境の改善を検討するといった具合です。

EP指導計画

看護スタッフが行うストレスコーピング以外に、患者さん自身が行う、あるいは患者さんの家族の支援・サポートが必要な場合に、その方法などを指導したりアドバイスしたりするための計画がEP指導計画です。

ストレス反応による身体的・心理的不調を医師の回診の際に伝えるように指導したり、家族ならではの支援の仕方をレクチャーしたりといったことが考えられます。

治療や患者さんのお世話だけでなく、患者さんのストレスを察知し、解消・緩和することも大事な看護ケアです。早期回復に不可欠なストレスコーピングをしっかり行いましょう。

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