看護職のお役にたてるコラムを掲載しています。
誰にでも大切な記憶・思い出ってありますよね。しかし、認知症になると大切な記憶や思い出だけでなく、自分・家族の名前すら忘れてしまうことがあります。ある日突然、身近な人と、お互いの意思疎通が困難になってしまったことはありませんか?もの忘れ、同じことを何回も繰り返し話す、今日が何月何日かわからない…これらの症状があると、認知症の可能性があるでしょう。そんな認知症の方とのコミュニケーションの取り方で困ったことはないですか?「どのように接すれば良いのだろう」「認知症の方により良く過ごしてもらうにはどうしたら良いのだろう」と不安に思った方もいるのではないでしょうか?ここでは、そんな不安を取り除く方法として、「バリデーション療法」の意味や事例、効果などをご紹介します。
バリデーション(validation)・・・ 批准・確認
幅広い業界で「バリデーション」という言葉が使われています。
「文書化された証拠を確立してゆく作業であり、これはあらかじめ定めた仕様や品質にあった製品を継続的に生産するプロセスに対して、高度の保証を与えるものである。」
言語テクニック(赤〇)…「オープンクエスチョン」「リフレージング」「レミニシング」
非言語テクニック(青〇)…「ミラーリング」「アイコンタクト」「タッチング」 「はっきりとした低くて優しい声で話す」「音楽を使う」
これらにそって、認知症の方と向き合えば、バリデーションがより効果的に実践できるでしょう。
・BPSD(認知症の行動・心理症状)の緩和など
認知症の方「私のものがない。とられた」
バリデーションを踏まえた回答
→「ものをとられたんですね」「誰に(いつ)とられたんですか」「今まで、どこにものを置いていましたか」
NGな回答
→「それは大変ですね」「誰もあなたのものをとっていませんよ」
・ネガティブな言動が減った
・楽しみ、満足感が増えた
・自尊心を取り戻せる
など
・仕事へのやる気が向上した
・認知症の方への支援に対してゆとりを持てる
など
バリデーション活用前と後を比べると、認知症の方、医療従事者側の、どちらにもメリットがあることがわかります。
トレーニングコースは、
「バリデーション・ワーカー」
「グループ・バリデーション・プラクティショナー」
「バリデーション・ティーチャー」の3つのレベルに分かれていて、
福島や神戸、新潟などの地域で開催されています。
詳しくは、公認日本バリデーション協会HPの「コース・セミナー・ワークショップのご案内」をご覧ください。
「バリデーション・ワーカー」のほかに、認知症にかかわる資格として、「認知症ケア専門士」というものがあります。バリデーション療法で得た知識やスキルなどを活かして、目指してみるのもいいかもしれませんね!
バリデーションは、認知症の方だけでなく、看護師さんや介護士さんなど支援する側にも良い効果が出るとされています。
認知症高齢者の方との接し方に困ったり悩んだりしたときには、ぜひこの記事を思い出してみてください!
きっと、「バリデーションの事例と効果」で紹介したように、改善されるでしょう。
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