看護職のお役にたてるコラムを掲載しています。
やることが多すぎて今日も残業…やり残したことがあるから今日は早めに出勤しなくちゃ…忙しい看護師さんに付き物の「前残業・後残業」。そんな残業を少しでも減らすために大事なのが「申し送り」です。その申し送りが苦手だという看護師さんも多いのではないでしょうか?今回は、スムーズな業務の引継ぎに欠かせない申し送りについてリサーチしました。短時間で上手に申し送りをするポイントやコツ、その申し送りを短縮・廃止する取り組みについて紹介します。
申し送りは、医療や介護の現場での業界用語として定着しています。
看護師さんの申し送り業務では、注意や観察が必要な患者さんの情報や、容体が変化した患者さんに関する情報などが主に伝えられます。
シフトチェンジの際に、後任の看護師さんに必要事項や情報を伝達・引継ぎする業務です。
申し送りの一番の目的は情報の共有です。情報を共有することで、患者さんにとって適切な医療や看護を提供でき、医療・看護業務を滞りなくスムーズに行うことができるようになります。
具体的には、患者さんのバイタルサインや症状などの観察事項、食事の摂取量や投薬量・時間、排せつの状況などです。他にも、発熱などの容体変化やそれに対する処置を伝えることも重要です。
少し古い文献ですが、東京医科大学看護部の研究発表にこんな一文があります。
申し送りとは、まずバイタルサイン・観察・注射等の指示に関する客観的情報がより正確に伝達され、その上で看護者の考察なり、患者野訴えが加えられていてこそ、その真の機能が果たされる。
そのために、情報を前もって整理しておく必要があります。まずは、簡単でいいのでメモを取っておきましょう。そのメモをたたき台にして、申し送りまでの間に情報を整理します。
必要な情報とそうでない情報を取捨選択し、相手に分かりやすく伝えることを念頭に置いて整理します。相手にとってどんな情報が必要なのかを考えると分かりやすいかもしれません。
血圧は○○時にはやや高くなっていたけれど、すでに安定しているといった具合に、項目別に報告するといいかもしれません。また、「患者さんが創部の痛みを訴えた」というだけの報告では内容が不十分です。「創部の痛みがやや強いようなので痛み止めを処方し、現在は落ち着いているが経過に注意」などのように、処置や看護の結果と注意が必要な事も報告しましょう。
「言うは易く行うは難し」とよく言われるように、それほどうまくできるかどうか心配だという看護師さんも多いのではないでしょうか?
まずは、先輩看護師の申し送りを真似ることから始めてみてはどうでしょう?申し送りもやはり経験を経ることでそのスキルもアップします。誰だって初めから上手にできるわけではありません。先輩や同僚の申し送りを良く聞いて、参考にして見ましょう。
看護スタッフ全員参加での申し送りとなれば、患者さんのもとに看護スタッフが不在となる時間も生まれるため、改善に向けて取り組みが行われています。
厚生労働省山梨労働局:医療スタッフの勤務環境改善に向けた取組事例集
たとえば、国立療養所奄美和光園不自由者棟では、看護・介護記録、フローシートを共有活用することで口頭による申し送りを廃止し、カンファレンスでのディスカッションも活発になりチームワークも増したと記述されています。
出典:看護と介護が協働する場における申し送り廃止への取り組み
チームカンファレンスやワークシートなどの活用で、多忙な看護師さんの業務を緩和でき、なおかつ患者さんのケアをより充実させる申し送りの短縮・廃止。たくさんの医療現場で続々と成果が上がっているようです。
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