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コラム

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苦手なアセスメントもこれで完璧! ゴードンの理論を用いた情報収集からSOAPを用いたアセスメントの仕方

「ゴードンの理論」です。ナイチンゲールやヘンダーソン、ロイなどと共に看護理論の先駆者として有名なゴードンが提唱した理論は、看護過程で重要な役割を果たすアセスメントに有用な理論です。ゴードンの理論の基本的なおさらいから、SOAPへの取り入れ方、さらにアセスメントのポイントを紹介します。

ゴードンの理論について

看護学者マージョリ・ゴードン(1931~2015)は、ニューヨークの看護専門学校を卒業して看護師となり、のちにボストン大学で博士号を取得しました。初代会長を勤めた「北米看護診断協会」から1977年に、「生ける伝説」の称号を与えられています。

看護過程におけるアセスメントに取り入れることで情報を分類しやすくなる、看護理論の枠組みを開発しました。それが、彼女の代表的著書『看護診断マニュアル』(原題:Manual of Nursing Diagnosis)で示された「11の機能的健康パターン」です。

ほとんどの看護師さんが、学生時代に授業で習ったであろう「ゴードンの11の機能的健康パターン」は多くの医療現場で臨床に用いられています。患者さんから収集した情報を分類・整理する際に役立ち、看護診断・看護計画を進めやすくする指標となります。

ゴードンの「11の機能パターン」

それでは、ゴードンの11の機能的健康パターンを詳しく見ていきましょう。パターンの名称と、それに対応する情報を紹介します。

11の機能的健康パターンは簡潔な名称ですが、それだけにどういった情報をイメージすればいいか最初は分かりづらいのではないでしょうか?

そこで、各名称をもっと分かりやすく平易な言葉に置き換えてみるのもひとつの方法です。たとえば健康知覚-健康管理なら、現在の健康状態をどの位分かっているか、健康のためにしていることは何かといった具合です。自己知覚-自己概念なら、自分の性格を把握しているか、職場ではどんな役職でどういった立場なのかといったことです。

この11のパターンに沿って情報収集を行えば、看護診断を進めやすくなります。

SOAPを用いた情報収集とアセスメント

続いては、ゴードンの11の機能的健康パターンに沿って収集した情報を、SOAPに取り入れるポイントを、例を挙げながら紹介します。

情報収集

アセスメントの為にまずは情報を収集しますが、どんな情報をどう集めたらいいのか分からないという学生さんも少なくないようです。そこで、まずはいくつかの観察項目を設定してから、患者さんをよく観察して情報を集めてみましょう。この時、「ヘンダーソンの14の基本的欲求」やマズローの「基本的欲求の階層図」が情報収集のベースとして有用です。

▲健康管理の仕方

病歴(既往歴)、治療状況、現在の健康状況、健康管理の方法

▲病気に対する考え方

病気に対する認識、病気への対処法、家族の病気に対する考え方、治療への考え

▲日常生活・習慣

喫煙やアルコール摂取の有無、・摂取量、アレルギーの有無、常用する薬の有無・量

分析・分類

患者さんを観察して得られた情報のうち、患者さんや家族が発した言葉から得られた情報は「S」主観的情報です。お腹が痛い、息苦しい、眠れないといった言葉はそのまま主観的情報になります。

次に、服用している薬や既往歴などの患者さんや家族から得られた情報に、バイタルサインや医師の診断、検査結果や看護師が見た患者さんの状況などの「O」客観的情報を11のパターンを念頭に置いて分類します。

アセスメント

収集した情報が整理できたら、その情報を分析・評価します。ここではアセスメントの一例を紹介します。

S:早く家に帰りたい

O:80歳、女性。

・2/1に右乳房痛、発赤等があり受診。穿刺細胞診の結果、乳がんと診断。

・右腋窩リンパ節転移あり。

・2/5入院と外来で腫瘍縮小目的の化学療法を行った。

・化学療法の副作用である倦怠感、脱毛、手足のしびれ等がみられたが治療を継続し、CTで腫瘍縮小が確認され、5/13に手術目的で入院。

・5/14に右乳腺扇状切除と腋窩リンパ節郭清術を行った。

・右腕が使えない状態から立位では不安定な様子である。

・また、入院前は右手で杖を持って歩行していたが今は左手で点滴架台を支えにして歩いている。

この情報を11の機能的健康パターンの「健康知覚-健康管理」に当てはめてアセスメントすると…

・体に異常を感じ、迅速な受診行動がとれている。

・健康管理に問題はない。リハビリにも積極的に取り組んでおり、リハビリの必要性や治療に対して理解している。

・しかし帰宅への願望があり、リハビリに積極的になりすぎる場面がみられる。

・また、術後の循環障害により浮腫が生じると皮膚を損傷しやすくなり、感染の原因にもなりかねないので、術後の健康管理が正しく行えるようにする。

といったアセスメントが考えられます。

アセスメントするときのポイント

最後に、アセスメントを行う際のポイントを紹介します。

情報を収集し整理・分類出来たら、11の機能的健康パターンの項目に情報をあてはめて分析します。たとえば認知-知覚であれば感覚機能に問題は無いか、認知機能は正常かといったことを情報から読み取っていきます。つまり、現状を判断するということです。

次に、問題が見つかった項目についてその原因を特定し、今後の事を予測することまでがアセスメントです。

そのあと、看護計画を立案することが最後の「P」計画になります。

ゴードンの「11の機能的健康パターン」を使って、「現状を判断」「原因を特定」「今後の予測」の3つのポイントをおさえたよりよい実習記録・看護記録を作成しましょう!

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