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コラム

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モンスターペイシェント達と上手く付き合っていく方法まとめ

給食費の不払いや理不尽なクレームなどを突き付ける児童の保護者、「モンスターペアレンツ」が一時期話題になりました。そのモンスターペアレンツのごとく、医療従事者や医療機関に自己中心的な要求を繰り返したり、暴言や暴力を行使したりする患者さんが「モンスターペイシェント」と呼ばれます。医師の7割が遭遇したと言うニュース報道もあったモンスターペイシェントの具体的事例や、その原因と思われることから対応策までを紹介します。

私が出会った、モンスターペイシェントさん達

まずは、医療従事者が実際に遭遇した、モンスターペイシェントと呼ばれる患者さんの事例を紹介します。

ケース1:看護師に土下座を強要

入院中の男性が、病院の廊下に女性看護師4人を土下座させ、さらに仲裁に入った男性医師の顔を殴り、退院後に威力業務妨害と暴行の疑いで逮捕された。深夜にナースコールで看護師が呼ばれたところ「来るのが遅い、顔を見て笑った」と言いがかりをつけ激昂したことが原因。

ケース2:薬を出せと怒鳴る

診察の結果、投薬は不要と診たてその旨を伝えたところいきなり怒り出し、「言う通りにしろ!薬を出せ」と怒鳴りだした。薬は出せないと再度説明したが怒りは収まらず、診察室で暴れだし何人かで取り押さえる事態になった。

ケース3:女性看護師に平手打ち

複数の女性看護師が男性患者に病室で理由も告げられずに、ほほに平手打ちをされ、ナースステーションに逃げ帰ったところを不審に思った看護師長が、男性患者を問い詰めた。「腎臓病の治療がうまくいかず、透析をすることになったのが受け止められなかった。腹が立って誰かにぶつけたかった。」と理不尽な八つ当たりだと語った。

ケース4:面会の患者家族がクレーム

面会中に消灯時間になったので帰宅するように促したものの、「院長に電話して消灯時間を変更させる!」などと怒鳴り散らしたが、説得し帰宅してもらった。しかし、帰宅後電話があり「お前が帰れといったから帰宅したが、車のカギが無くなった。探せ!」と看護師に難癖をつけた。

ケース5:薬の処方が悪い

不眠が主訴の男性患者が「研修医が処方した睡眠導入剤で具合が悪くなった」と処方の不当性を大声で訴えた。処方した研修医、上司である医師が根気よく説得を続けることで事なきを得た。

きっかけ、原因は?

続いては、モンスターペイシェントと呼ばれる患者さんが理不尽な言動を起こすきっかけや原因はどういったところにあるのか、患者さんサイドと医療従事者サイドの両面から紹介します。

患者さんサイド

権利意識の高まり

「患者様」といった呼び方が象徴するように、患者さんファーストの医療機関の対応が、患者さんの権利意識を高めている。

過剰な期待

医療に対しての期待が高くなっていて、思ったような結果が出ないと不満を感じる。

モラルの低下

報酬を払いたくない、文句を言わないと損だという意識を持った患者さんが増えている。

医療従事者サイド

コミュニケーション不足

若い医師によくみられるパソコンのモニターばかり見て患者さんの顔色さえ見ないといったコミュニケーション不足も大きな原因。

説明不足

病状や治療方針などの説明が十分ではない。

高圧的な態度

患者ファースト化が進む反面、前時代的な感覚で「診てやっている」と言う、高所からの視点で居丈高な言動を取る医療者も多くないが存在する。

診察を拒否することなどは可能? 対応する際の注意点。

先程のきっかけや原因となる事柄を踏まえた上で、モンスターペイシェントと呼ばれる患者さんと対応する際の注意点を紹介します。

◆聞くまずは患者さんの話をしっかり聞きましょう。

いきなり反論したり話を遮ったりせず、患者さんの主張をしっかり聞き取りましょう。

◆共感患者さんの主張に理があると感じたら共感を示しましょう。

認められることで安心し、冷静になってくれるかもしれません。

◆冷静に話す感情的になっている人に、同じように感情的に話しかけるのは火に油を注ぐようなものです。

一呼吸おいて冷静に話しましょう。

◆責任転嫁しない

「私のせいではない」といった言い逃れは、かえって事を大きくしてしまいがちです。

◆毅然とした態度

理不尽な要求は、うやむやに懐柔したりせず、きっぱり断ることも大切です。

◆組織で連携

ひとりで事態を収めようとせず、医療従事者・医療機関が連携してチームワークで対処することも重要です。

【マニュアル見本あり】病院側で対策できること

モンスターペイシェント対策は、全ての医療機関にとって重要な課題となっています。そのため、モンスターペイシェント対策をマニュアル化している医療機関も少なくありません。実際のモンスターペイシェント対策マニュアルをいくつか紹介します。

患者苦情・トラブル対応業務フロー図 KKR高松病院医療安全管理室

苦情やクレームへの対応をフローチャート化した図です。

暴言・暴力の対応案 大阪大学医学部附属病院

郡馬大学 昭和地区事務部長(当時)・原 忠篤氏が作成した暴言・暴力の対応案です。実際の事例や対応策などが詳しく紹介されています。

医療事務スタッフのためのケア・コミュニケーション 苦情・クレーム対応

㈱ウイネット発行

医療事務スタッフ向けの教育書籍です。その中のクレーム対応箇所を抜粋しています。医師や看護師といった医療スタッフから受付などの事務スタッフを含めた全職員に、モンスターペイシェント対策を徹底することが大切です。そのための研修やマニュアルの作成、さらにポスターなどで「暴言や暴力などの迷惑行為の禁止」を患者さん向けに掲示することも効果的です。他にも、患者さんや家族の声を聞く時間や場を設けることも有効な手段です。事件や事故が起こってしまってからでは遅すぎるモンスターペイシェント対策を、医療従事者と医療機関がひとつになって取り組んでいきましょう。
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