看護職のお役にたてるコラムを掲載しています。
看護師が、自宅に訪問して看護を行う「訪問看護」。その訪問看護に携わる「訪問看護師」の需要がますます高まってきています。
今回は、訪問看護の求人が増えている背景にはどういったことがあるのかを徹底リサーチしました。
転職をお考えの看護師さんや、看護師としてのキャリアをどこで始めようか迷っている人、さらにこれから看護師を目指す方まで、訪問看護に関する記事、ぜひご一読ください。
少子化と相まって高齢者の割合は増加の一途をたどっていますから、介護や看護を必要とする人の数はそれに比例して増えてきています。
国の医療政策で長期入院が困難な昨今、自宅での療養を余儀なくされる患者が増えているのも一因です。
さらに生活の質(Quality Of Life)が向上したことで、療養生活も「自宅で家族と」や「自分らしく過ごしたい」といった思いを持つ人が増えたことも無関係ではないでしょう。
出典:平成26年度ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人に関する分析報告書
しかも、求人数の内訳は病院が46.4%、診療所が11.6%、介護保険施設・事業所が18.1%、訪問看護ステーションが7.9%となっています。
病院は減少傾向、診療所は横ばい、そして介護保険施設・事業所と訪問看護ステーションは増加を続けています。看護師全般も不足している上、福祉・介護関連の需要が高まっている事から、訪問看護師不足も深刻と言えそうです。
老人介護施設にはいろいろな種類の施設があります。特養や養護老人ホームといった公的施設と、民間運営の有料老人ホームやサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)、グループホームなどです。
民間のいわゆる老人ホームと呼ばれる施設の多くは、施設内に看護師が常駐していたり、訪問介護施設が併設されていたりします。
そこで訪問看護師として働くこともできます。訪問看護ステーションのように利用者の自宅を回って看護する働き方と、施設入居者の居室を訪問するという違いはありますが、看護サービスに違いはありません。
都道府県別に見ると、大阪府が一番多く999ケ所、次いで東京の970ケ所となっています。逆に一番少ないのが鳥取県で51ケ所、次いで山梨県の52ケ所となっています。
平成11年の法改正以前、訪問看護事業は医療法人や社会福祉法人が運営していましたが、規制緩和によって株式会社や有限会社、その他の法人の参入が認められました。現在では営利法人が運営する施設も増え、大手業者の参入も増加してきています。
平成24年時点での訪問介護ステーションの運営主体は医療法人が36.0%、営利法人(会社)が32.6%と拮抗しています。
厚生労働省:介護サービス施設・事業所調査
例えば、セキュリティー業界大手のセコムは、平成14年に「セコム医療システム」を起ち上げ、訪問看護や訪問介護、健康食品や医療専門職の転職支援などの事業を行っています。そういった背景からも、訪問看護の求人は増加し続けていると思われます。しかも、民間企業の運営する施設が増えたことで就職・転職サイトなどでの求人はますます増える傾向にあります。
訪問看護の求人検索には、介護求人ガイドなどの介護や看護、福祉専門のサイトがおすすめです。
国の政策としての「地域包括ケア」が推進されることで、訪問看護の需要も増えるのではないでしょうか?
まだまだ看護師の数が不足していることを考えると、看護師の売り手市場も継続するものと思われます。
しかし、訪問看護ステーションの廃業・休業数も増えているという不安要素もあります。大手企業の参入などで小規模訪問看護事業者の経営はかなり不安定で、結局廃業してしまう施設も少なくないようです。
せっかく訪問看護の仕事に就いても、事業所の経営がうまくいっていなければ職を失ってしまいます。そういった事の無いように、応募する事業所をしっかり見極めて優良な訪問看護施設に入職したいですね。
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