看護職のお役にたてるコラムを掲載しています。
看護師さんに限らず、医療系や福祉系の職種は、労働環境の悪さや人手不足が原因で離職率が高いというイメージがあります。実際に看護師さんの離職率は高いのでしょうか?
上の表は、公益社団法人日本看護協会が全国の病院8,396施設を対象に実施した病院看護実態調査の結果報告書の「3.看護職員の離職率」より抜粋したものです。正規雇用看護師全体の離職率は10.9%で、新卒看護師に限っては7.6%です。ここ5年ほどは横ばいとなっています。
出典:厚生労働省「雇用動向調査」次の表は、厚生労働省が発表している雇用動向調査の職種別離職率です。比較してみると、看護師さんの離職率10.9%は平均的な数字で、突出して高い数値の宿泊業・飲食サービス業と比べるとかなり低いことが分かります。
退職・転職する理由はさまざまですが、できれば良い職場で長く働きたいのではないでしょうか?そのために、離職率を調べることは重要です。
しかし、病院のホームページに離職率が表示されているわけではありませんので、看護師さん専門の転職サイトや転職コンサルタントを利用することをおすすめします。離職率を調べる際にも、前年度の数字だけでなく少しさかのぼった離職率も把握しておくことが大切です。
労働時間はどうなのか?夜勤の体制はどうなっているか?といったことを面接や見学の際に確認しましょう。
何人の看護師がいて、シフトが何交代なのか?人員は足りているのか?休日や有休は?なども把握しておきたいところです。
また、看護師さんはほとんどが女性なのでセクハラでお悩みの方もいらっしゃるようです。パワハラやセクハラが、退職・転職の原因となることも少なくありません。パワハラやセクハラへの対処の仕方や、ハラスメント被害者へのケアが充実している施設かどうかも選定のポイントです。
一概には言えませんが、国立病院機構などの公的機関や、会社組織が運営母体の場合、コンプライアンスなども厳しいため、セクハラやパワハラへの対処は厳格な場合が多いようです。
逆に個人病院などの場合、ワンマン経営でパワハラやセクハラへの認識が甘いところもあるようです。
基準内の人員配置でも、ギリギリの最低ラインなら1人ひとりの看護師さんの負担が大きくなります。
さらに、体調不良などで突然の欠員が出た場合にすぐに補充できず無理な勤務体制を余儀なくされる可能性もあります。
病床数にあった人員配置がなされているかきちんと確認しましょう。
これは医療関係に限らず全ての職種において当てはまることですが、職場の人間関係の良し悪しは大きな問題です。
給与や勤務時間、休日といった条件面は入職する前にある程度把握することができます。しかし、人間関係は例えば求人サイトの募集ページを見ただけでは推し量ることができません。
そこで、応募したい施設が病院なら患者として訪問してみて、現場の雰囲気がどうなのか体感してみるのもひとつの方法です。他にも、見学を申し込んでスタッフと実際に接してみるのもいい方法です。また、施設名でネット検索し、患者の口コミや以前勤務していたスタッフの口コミをチェックするのも有効です。
一般的な計算方法として多く用いられるのが…
離職率=一定期間内の離職者数÷期首の在籍人数×100
たとえば、年度初めには100名の職員がいる病院で、その年度内に10名の退職者があり、年度末に90名になった場合には…10(人)÷100(人)×100=10(%)となります。
特定の期間や、特定の職員(例えば新卒者)に限った離職率を計算する場合に計算式の分子・分母が変化します。
これから看護師としてのキャリアをスタートする人や、休職から現場復帰する方、種々の事情で転職をするという人まで、離職率も就職・転職先選びの重要なファクターです。
もちろん、離職率という数字だけを見るのではなく、勤務環境や人間関係、労働環境といった実際に目にして初めてわかる情報も大切です。
良い環境で長く勤務するために就職・転職を希望する施設の選択は慎重にしましょう!
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